ユーザーイノベーション教室

ユーザーイノベーションについて、分かりやすくお伝えします。

自己紹介

はじめまして。

 

私は広島県呉市で鉄鋼の物流会社を経営しています。創業50年余りで従業員数約100名のいわゆるファミリービジネスです。

 

簡単に言うと、

1)鉄鋼メーカーで鋼材が生産される

2)鋼材が船積みされ、各地の港に運ばれる(大量一括)

3)鋼材を船舶から下ろし、港内の倉庫・野積場に搬入し、保管する

4)需要家(造船や自動車など)の指定する場所へ「必要なときに必要なものを必要な量だけ」陸海輸送する(多頻度小口)

の工程のうち、3)と4)を呉港を拠点に行っています。

 

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こうした物流機能を鉄鋼業界では中継基地と呼び、鉄鋼のサプライチェーンの一翼を担っています。

この会社の経営が私の本業です。

 

一方、その本業とは別に、私はユーザーイノベーションの研究も(細々とですが)行っています。

と言うと、「ユーザーイノベーションって何?」と思われるかもしれませんが、その話の前にまず自分が「研究」を行うようになった経緯について触れておきます。

 

きっかけはMBAでした。

今からちょうど10年前の2005年、当時33歳だった私は、神戸大学のMBAコースに社会人大学院生として入学しました。

 

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神戸大MBAでは、経営戦略、マーケティング、組織行動、人的資源管理といったMBAの定番授業だけでなく、15名から20名程度のゼミに配属され、そこで指導教官の指導のもと修士論文を作成するというプログラムが組まれていました。

修士論文の作成は、各々が職場で抱えている(半径1m以内の)具体的な問題を出発点に(ささやかでも)新規性、独自性のある問いを立て、インタビューやアンケートによってデータを集め、分析し、その解に迫るという作業です。

それがあまりにも面白く、「もっとやってみたい」と思ったのです。

 

そこで2年間のMBAコースを修了後、1年間の若干の準備を経て、2008年に博士後期課程に編入学しました。

門を叩いたのは、小川進研究室です。MBA時代のゼミの指導教官が小川先生だったということもあって、博士課程でも指導を仰ぐことにしました。

実はその小川先生の専門分野が「ユーザーイノベーション」だったのです。

 

そういったご縁もあって、ユーザーイノベーションに関する研究を始めた私は、「ユーザーによる用途革新」をテーマに博士論文を書き、編入学後5年を経て、博士課程を修了することができました。

 

修了後も企業経営の傍ら、博士論文を書き直して学会誌に投稿したり海外で研究報告を行ったり、また学会ではユーザーイノベーションに関する研究会に所属し、企画運営メンバーとして活動するなど、さしずめ「在野の研究者」として研究活動を続けています。

 

このブログでは、マーケティングに従事しているビジネスパーソンや、中小企業経営者、大学でマーケティングを勉強している学生、あるいは「経営学」に関心のある高校生に、

 

  • なるほど、ユーザーイノベーションとはこういうことを言うのか
  • これは中々面白いじゃないか

 

と思ってもらえるよう、ユーザーイノベーションに関する分かりやすい「模擬講義」を連載するつもりです。

具体的な事例をもとに話を進めていくので、どうぞ気楽に読んでください。